旧暦(太陰太陽暦・天保暦)は、月の満ち欠けと太陽の動きを組み合わせた暦です。ふだんは決まった手順で月名が一意に決まりますが、2033年の秋から2034年にかけては、素朴な規則だと旧暦の月名が一つに定まらなくなります。これが「旧暦2033年問題」で、カレンダー会社ごとに月名が食い違いかねない暦計算の難所です。
旧暦の月名の決め方(朔と中気)
天保暦のルールは二段構えです。まず、朔(さく=新月)の瞬間を含む日を、その月の「1日」とします。次に、太陽の位置で月名を割り当てます。太陽黄経が30の倍数になる点を「中気」と呼び(雨水・春分・穀雨…がこれにあたります)、ある中気を含む月に対応する月名を与えます。たとえば春分(黄経0°を基準に数えた中気)を含む月が旧暦の2月です。そして中気を一つも含まない月を「閏月(うるうづき)」とし、直前の月と同じ番号に「閏」を付けます。ふつうはこの手順だけで、どの月がどの月名かが一意に決まります。
なぜ2033年に規則が破綻するのか
ところが2033年秋〜2034年は、中気の入り方が特殊です。月の長さと中気の間隔の関係で、中気を含まない月(=閏月の候補)が近い場所に複数現れたり、逆に一つの月に中気が二つ入ったりして、「中気を含む月に月名を与える」という素朴な規則だけでは、月名と閏月の位置が一意に決まりません。同じ天保暦の原理から出発しても、どこを閏月と見なすかで複数の答えが作れてしまうのです。
二至二分優先方式で「閏11月」と決める
当サイトは、こうした曖昧さを一意に解くために「二至二分(にしにぶん)優先方式」を採用しています。これは、冬至を含む月を必ず旧暦11月に固定し、さらに春分→旧2月・夏至→旧5月・秋分→旧8月というアンカー(節目の対応)を崩さない位置に閏月を置く、という考え方です。この基準で計算すると、2033年の該当区間は「閏11月」と一意に決まります。当サイトの暦計算による各月の朔と月名は次のとおりです。
| 朔(新月)の日 | 旧暦の月名 |
|---|---|
| 2033-07-26 頃 | 7月1日 |
| 2033-08-25 頃 | 8月1日 |
| 2033-09-23 頃 | 9月1日 |
| 2033-10-23 頃 | 10月1日 |
| 2033-11-22 頃 | 11月1日 |
| 2033-12-22 頃 | 閏11月1日 |
| 2034-01-20 頃 | 12月1日 |
| 2034-02-19 頃 | 1月1日 |
| 2034-03-20 頃 | 2月1日 |
冬至(12月下旬)を含む月を11月に固定した結果、その次の月が「閏11月」となり、以降の12月・1月・2月がきれいに並びます。
方式が違うと六曜・行事日がズレる
採用する方式が違うと、旧暦の月名・六曜・旧暦由来の年中行事の日付が、カレンダー間でズレることがあります。とくに六曜は「旧暦の月+日を6で割った余り」で機械的に決まるため(詳しくは六曜はどう決まる?を参照)、閏月の置き方が一日でも変われば、六曜の並びも連動してずれます。当サイトの六曜カレンダーは、この二至二分優先方式で旧暦を求めてから六曜を計算しており、1900年〜2099年の範囲で一貫した結果を返します。
よくある質問
なぜ2033年だけこんな問題が起きるのですか?
市販のカレンダーと月名が違うことはありますか?
この記事の月名・朔(新月の日)は、当サイトの暦計算によるものです(2026-07-16時点)。